老後に家を売るという選択は正しい?老後の家の売却について考える
- 老後資金が心配だから、家を売って資金を確保したい
- 子どもの手が離れ、広い家はいらないので管理の楽な小さな家へ引越したい
- 都心から郊外へと引越し、老後はのんびりと暮らしたい
「老後に家を売る」売主さんたちの思いはひとそれぞれです。
忙しい方は目次からどうぞ
老後資金が心配だから、家を売って資金を確保したいという思い
最近になって、「老後破産」という言葉を良く耳にするようになりました。
総務省の家計調査によると、年金生活を送る高齢夫婦世帯の収支は、月にしてマイナス6万円ほど。年間約70万円ほどの赤字となっています。
また、生活保護者など低所得者の受け入れをしている老人ホームでは、数百人の予約待ちで、入居が何年先になるかすら分からない状態が続いています。
こうなるとやはり心配になるのが、老後の生活資金や老人ホームへの入居費用。
また、老後資金を確保する手段としてハウスリースバックやリバースモゲージという方法も注目されています。詳しくはこの記事を参考にしてください。
参考 住んだまま家を売って現金化する方法【ハウスリースバック】ワンポイントアドバイス
資産価値を把握する意味で査定をしておく
いざ査定をしてみると、自分が思っていたよりもずっと低い査定価格になることもよくあることです。しかし、それではいざというときに資金計画が狂ってしまいます。
老後の資金計画を確実にするためにも、所持している不動産の資産価値を正確に把握しておくことはとても大切なことなのです。
売る売らないに関わらず、老後の資金計画のためにも、一度は所持する不動産の査定書を取り寄せておくようにしましょう。
査定書はわざわざ不動産会社に出向かなくても、不動産一括査定で無料で取り寄せることができます。
不動産一括査定の中でも、リクルートグループが提供する「SUUMO(スーモ)売却」はおすすめ。独自の審査方法で不動産会社を選んでいるため、トラブルも少なく安心感があります。
今ある家を売り、手頃な中古物件へ引っ越すという選択肢
一番多いのが、
「今ある家を売り、手狭な安い中古物件物件に買い替える」
というケースです。
家を売った額と中古物件を買った額の差額を、老後資金にまわすという方法です。
一戸建ての家を維持するには、お金がかかります。築年数が古くなると、屋根の修復や壁の塗り替えなどの修繕費もバカになりません。
修繕費に数百万単位のお金がかかることを考えると、そうなる前に家を売ってしまい、その分貯蓄にまわすということは賢い選択肢だといえます。
あとは、やはり「手元に現金がある安心感」でしょうか?
私もお客さまからお話しを聞かせてもらう機会がよくあるのですが、「急に大きな病気をしたときの蓄えが心配」、「現金がある安心感があると、節約が苦にならないのでかえってお金が貯まる」などとよく話されています。
余生を穏やかな気持ちでゆっくりと過ごすためには、使いきれない広く大きな家よりも、より多くの蓄えがある安心感の方が大切と思っている方が多いですね。
不良資産が増え続けている現実
現在、使われていない空き家や空き地が増え続け、大変問題となっています。
これは、所有者が不動産の所持にこだわるあまり、生前に売却しなかったことも原因の一つです。
その結果、収益を生むこともなく、逆に固定資産税や維持費でマイナスになっている、不良債権とも呼べる空き家が増え続けているのです。そして、負担をしいられているのは相続した子供たちです。
空き家が増え続けている現状では、都心の一等地ならまだしも、地方の郊外の家などは年々売れにくくなっています。
空き家はどんどん増え続けているのに、建売住宅や分譲マンションはどんどん増え続けています。今後は、さらに不動産の処分に困る時代が来るのが目に見てています。
今でさえ、両親のこだわりで所持し続けた家を処分しようにも、家が売れなくて困っている方たちが沢山いるのが現状なのです。
老後に思い切って家を売る方は、そういった面倒を子どもたちにかけたくないという想いがあります。自分たちが元気なうちに処分をして、現金に換えておこうと考えているかたが多いです。
もう一度、あなたの家が子どもたちにとって、本当に残しておくべき家なのかを考えてみてください。
今住んでいる家は、老後の生活に適していますか?
家の立地も気になるところです。
あなたは、移動には必ず自家用車が必要な地域に住んではいませんか?
60代であれば、まだまだ全然現役で車の運転をすることはできるでしょう。しかし、70歳、80歳と年を取っていくにつれ、いつかは必ず車での移動はできなくなります。
その時のことを考え、
- 周辺に歩いていけるスーパーなどはあるか?
- 交通機関は充実しているか?
なども考慮しないといけません。
家を買う時は、子どもの育つ環境などを考えて、郊外の閑静な住宅地などを購入する方が多いです。
ただし、郊外の住宅地はどこに行くにしても、車の運転が必要不可欠であることも珍しくありません。
子どものことを考えて購入した家が、逆に老後の生活を不便にしてしまうこともあるのです。
⇒ 一戸建てからマンションは得策?老後の住み替えの重要ポイント
買い替える際のリスクと注意点
住み替えてはみたものの住みにくかった
家を売って新しく購入した家やマンションに引っ越してはみたものの、自分たちの生活には合わなかったという場合もあります。
こういったリスクを回避するには、まず賃貸で住んでみること。
引越し費用や賃料がもったいない気持ちも無くはありませんが、まずは賃貸で住んでみて、その地域のことを気に入ったら近隣の中古物件を探すという方法の方がリスクは低くなります。
新しい家やマンションを購入したが、家が売れない
勢い余って新しい家やマンションを購入したものの、
今住んでいる家がなかなか売れない・・・
こういったリスクを回避するためにも、住み替えの際は売りを先行させることが大切です。新居の購入を先にしてしまうと、どうしようもなくなく場合があるからです。
また、住み替え先が新築の場合は、「買い替え特約」をつけることのできる物件を探すことで、リスク回避ができます。
買い替え特約とは、指定した期間内に前住居が売却できなかった場合には、新居の購入の契約を白紙にできるという特約のことです。
中古物件の場合は、この特約は買主のみにメリットがある特約のため、売主さんが承諾してくれるとは限りません。現実的には、承諾してくれない売主さんの方が多いでしょう。
ただし、新築分譲マンションや建売住宅など売主が不動産会社の場合には、応じてもらえる可能性が高くなる特約になります。
なので、家が売れないというリスクを回避するためには、不動産会社が買い取った物件など、比較的に買い替え特約が付けやすい不動産会社が所有する物件から探してもらうという方法もあります。
まずは、家の資産価値を把握することが第一歩
住み続けるにせよ売却するにせよ、まずは自分の持家の資産価値を知ることが大切です。
どのくらいの価格で家が売れるのかを知らないと、
- 家を売った場合にどれだけの金額が老後資金にまわせるのか?
- 買い替える場合、どのくらい価格帯の中古物件を探せばよいのか?
などが、把握できないからです。
今ある家が2,000万円で売れる可能性があるとすれば、家を売却した代金のうち、1,000万円を中古マンションの購入資金にあて、残りの1,000万を老後資金にまわそうかという、現実的な計画も立てることができます。
また、老人ホームへの入居を考えている場合、次の住宅を購入せずに市営住宅や公営住宅に申込み、家賃を払ったほうが結果的に現金が残る場合もあります。
このような老後の資金計画は、ご自身が元気なうちにしっかりと計画をしておくべきです。
正確な資金計画をするために、まず最初に不動産会社に自分の資産である自宅の評価額を査定してもらうことから始めましょう。
ここでの注意点は、1社だけの査定価格で判断しないこと。
不動産会社をよく比較せずに、誤って評価の低い不動産会社に売却を依頼すると損をしてしまいます。
不動産会社によっては、査定価格に数百万の違いが出ることもあります。必ず、何社かの不動産会社から査定をしてもらってください。
査定依頼は一括査定が便利です
また、複数社に査定依頼をするのであれば、不動産一括査定サイトがとても便利です。
一度の査定依頼で、選択した複数の不動産会社へ同時に査定依頼をすることができます。
最短で即日に家の予想売却価格を知ることができ、利用者の利用料金は無料です。そのため、家を売りたい方には、非常にメリットの大きいサービスです。
ちなみに当サイトでは、業界最大手の「SUUMO(スーモ)」での査定をおすすめしています。
無料査定ですのでお金はかかりません。また、査定したからといって必ず家を売らないといけないわけではありませんので、安心してください。
これは査定画面の一部ですが、「まずは簡易査定をしてほしい」にチェックを入れておけば、不動産会社が家に来ることもなくしつこい営業などもありません。ただし、より正確な査定価格が知りたい場合は、「訪問査定をしてほしい」の方にチェックを入れておいてください。
【ぶっちゃけ話】不動産会社に直接、査定依頼をしてはいけない理由
※業界内では言えない話しです。こっそりと読んでください。