一戸建てからマンションは得策?老後の住み替えの重要ポイント
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子どもたちの独立や家の老朽化がきっかけで「本当にこの家を終生の住まいにしておくべきだろうか?」と考える方が多くなってきています。
特に、庭木の手入れや階段の昇り降りが大変な一戸建て住宅から、手頃な中古マンションへの住み替えがシニア層には人気となっています。
しかし、住み替えといっても長年慣れ親しんだ家を離れるのは少し勇気のいることですよね。
この記事では、一戸建て住宅からマンションへの住み替えは本当に得策なのか?老後の住み替えを検討する際の重要なポイントについて考えていきたいと思います。
忙しい方は目次からどうぞ
住み替えはやはりマンションがおすすめ。老後に一戸建てに住み続けるリスク
老後の生活を考えた場合、利便性や手軽さを考慮するとやはりマンションがおすすめです。では、住み替えをせずにそのまま一戸建てに住み続けた場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
防犯上のリスクが高い
まず考えられるのが、詐欺被害などの防犯上のトラブルです。一時期問題になったリフォーム詐欺なども、ターゲットは築古の一戸建てに住む高齢者がメインターゲットでした。
最近では少なくなってきましたが、悪質な訪問販売をする詐欺まがいの業者も、一戸建ての方が出会う確率はマンションに比べ格段に高くなります。
マンションは、オートロックや防犯カメラがあるため、そのような業者が嫌がる傾向にあり、防犯上からみれば安心感があります。
庭や老朽化した家のメンテナンスが大変
雑草が茂ったままの庭のままではみっともない・・・
でも、手入れをする体力が・・・
一戸建て住宅にすむ高齢者で、このようなことでお悩みの方も多いでしょう。
若いころはせっせと汗を流しながら手入れした庭木のメンテナンスも、高齢で身体が思う様に動かないとなるとかなりの負担になってしまいます。
その点、マンションであれば、日当たりのいいベランダでプチ菜園やこじんまりとしたガーデニングを自分自身のペースや体調に合わせて楽しむことができます。
また、老朽化した家は、必ず何らかの改修の必要性が出てきます。
築年数が古く、資産価値としての建物の価値は無いにも関わらず、外壁塗装や屋根の葺き替えなど大きな経費がかかるのは、少しでも多く老後資金を確保しておきたい高齢者にとっては、大きなデメリットといえるでしょう。
交通の便、買い物の利便性が悪い
分譲住宅などの購入層が、子どもがまだ小さな30代あたりの世代をターゲットにしているせいでしょうか、車の運転が前提の立地になっていることがよくあります。
そのため、郊外の閑静な住宅地などは、確かに静かで住みやすいのですが、交通の便や買い物の利便性などはあまり良くないケースが多く見受けられます。
逆に分譲マンションは、立地を最優先して建てられることが多いため、近くに駅があったり、商業施設やスーパーの近くにあることが多いです。
高齢になり免許を返納したあとの生活を考えると、移動や買い物の利便性の高い立地にあるマンションの方がだんぜん住みやすいです。
住み替え先は、新築マンション?それとも中古マンション?
住み替え先は、新築マンションか中古マンションどちらにするかという点ですが、統計でいうと中古のマンションに住み替えをされた方のほうが多いです。
価格的な部分も影響しているとは思いますが、これは居住者の層によるところも大きいのではないでしょうか。
新築マンションは子どもがいる若い層の入居者が多いため、どうしても上下左右の音が伝わってくるマンションの構造では、生活音が気になります。
その点、ある程度落ち着いた年齢層が多く入居している中古マンションであれば、生活音もそれほど気になることは無く、静かに落ち着いた気持ちで住めるということでしょう。
また、立地にこだわって新居を探そうとした場合、都心などは新築が建つ敷地がありませんので、綺麗にリノベーションされた中古マンションを選択するというケースが考えられます。
実際に都心近くの人気エリアでは、リノベーションされた中古マンションが、バブル時代並みの高騰をしているエリアも多く見られます。
住み替え先のマンションを探すときのポイント
次に住み替え先のマンションを探す際のポイントですが、どのような点に注意して探せばよいのでしょうか。
価格
住み替えで一番重視する点は価格でしょう。
退職後には当然収入が減りますし、老後資金を考えると少しでも手元に現金を多く残しておきたいと考えるのが普通です。
老後に広い家はいりません。多少手狭でもいいので、支払い的に無理のない物件を選択するのが第一です。
今後出ていくお金やその他の条件も吟味しながら、心に余裕のある生活を送れるような資金計画を立てることが一番大切です。
立地条件と周辺施設
住み替え先のマンションを選ぶ際に、価格と同じくらい大切なのが、立地条件と周辺施設です。
シニア世代が特に重視しておきたいのが、「交通機関への近さ」と「日当たり」です。
「交通機関への近さ」は、別に駅にこだわる必要はありません。バス停などの交通手段の場所が、徒歩圏内に必ずあることが大切です。
「日当たり」も意外と重要なポイントで、家にいることの多くなる老後の生活では、明るい陽射しが入ってくる部屋と、日当たりが悪く暗い雰囲気の部屋では、暮らしの質がまったく変わってきます。
また、立地の良い場所は周辺施設も充実していることも多いですが、念のため、病院などの医療施設が周辺にどのくらいあるかも確認しておきましょう。
車の運転ができなくなった時や、あまり重い物を持てなくなった時のことも考えると、生活用品を調達するスーパーなどとの距離も重要です。
最近は宅配サービスなどもありますので、近隣のスーパーが宅配に対応しているかどうかもチェックするポイントとなります。
子どもの家との距離
すみません、これは私の個人的な意見になります。
子どもが同じ県内にいる場合、子どもの家との距離も考えておくべきです。できることなら、車で20分圏内で行き来できるくらいがベストです。
実は、私自身も私の両親と主人の両親どちらともの実家へ車で20分以内で行ける距離に住んでいます。
別に近くに住んでいるからといって頻繁に会ってはいませんし、会う必要も無いと思っています。数ヶ月に一度、両親と我が家の家族揃って食事に行ったりするくらいですね。
それでも、両親は「近くに居てくれるから何かあっても安心」と言ってくれますし、私と主人も両親に何かあった場合は、すぐに飛んでいけるので落ち着いた気持ちで過ごせています。
「近くに住んでいるけど一定の距離感を持つ」くらいが親にとっても、子どもにとっても一番安心できる距離感ではないでしょうか。
また、もし介護が必要になった場合でも近くに住んでいれば、子どもへの負担も軽くなります。
住み替えを検討しているのならば、子どもの家との距離というものをぜひ一度考えてみてください。お子さんに相談してみるのもいいと思います。
別に頻繁に連絡が来たり、会ったりしなければ、離れて暮らしているのとさほど変わりませんので、子どもたちが負担を感じることは少ないはずですから。
購入するか賃貸か
相続時に不動産などを残したくないという理由で賃貸を選択するかたもいらっしゃいますが、資金的に可能なのであれば、購入することをおすすめします。
あくまで、現在の貯蓄や今の住居を売却した場合の売却価格の範囲内で無理なくというのが条件です。
マンションを購入した場合、固定資産税、修繕積立費や維持管理費などの経費がかかりますが、資産が残ります。賃貸マンションで家賃を払い続けるだけでは何も残りません。
将来的に重度の介護が必要になり、介護施設への入居を余儀なくされた場合でも資産があれば、売却して入居費用の足しにすることもできます。
また、年金収入を考えた場合、家賃の支払いがきつくなることもあるでしょう。民間の賃貸住宅では、そのような理由から高齢者の入居を拒むケースも多くあります。
たとえ、長男などが連帯保証人になったとしても、高齢者は孤独死や事故などのトラブルも多いので、敬遠する大家が圧倒的に多いです。
購入か賃貸かという問題よりも、「高齢者はそもそも賃貸住宅を借りにくい」という問題が一番に考えられます。
田舎か都会か
定年後に田舎暮らしをしてゆっくりと過ごしたいという方も多いですが、田舎か都会かという点で考えると、やはり都会暮らしを選択するべきです。
田舎の生活を満喫できるのは、健康寿命までです。介護が必要になった場合は、田舎ではサービスが受けづらいので、結局また引っ越すことになってしまいます。
今住んでいる家は売る?それとも貸す?
家は人が住んでいないと傷みも早くなりますし、今は空き家問題も社会的課題となっていますので、住み替えをするなら売却してさっぱりしておくのも良いでしょう。
実際に、賃貸はやはり空室のリスクや管理が大変という理由なのか、住み替えの際には6割以上の方が家を売却して購入資金に充てています。
しかし、思うような価格で売却できた方は意外に少なく、「自宅の評価が思ったより低かった」と感じている方が多いです。
売却価格次第では、今後の人生設計や住み替えの資金計画に影響してきます。
住み替えを検討する際には、早めに不動産会社から査定をしてもらい、自分の家の資産価値を把握しておくことが大切です。
今は、ネット上から無料で簡単に査定を依頼できるサービスがありますので、そのようなサービスを利用して査定書を何枚か取り寄せて、おおよその売却価格を把握した上で、住み替えの資金計画をするようにしましょう。
ちなみに当サイトでは、大手リクルートグループが提供している「SUUMO(スーモ)売却」をおすすめしています。査定したから必ず売らないといけないわけではありませんので、気軽に利用することができ、とても便利なサービスです。
これは査定画面の一部ですが、「簡易査定」にチェックを入れておけば、不動産会社が家に来ることもなくしつこい営業などもありません。ただし、より正確な査定価格が知りたい場合は、「訪問査定」の方にチェックを入れておいてください。
不動産査定は、各社によって査定基準が違いますので、必ず複数社に査定を依頼して査定書を見比べてみるようにしてください。
まとめ
少し個人的な意見となってしまいましたが、老後の住み替えにおいて一戸建てからマンションという選択は、決して間違ってはいない選択だと思っています。
私のお客さまも、マンションへの住み替えに満足している方のほうが多いです。
ただし、住み替え先のマンションの住民とのトラブルで悩んでいる方もらっしゃいますので、住み替え先のマンションを選ぶ際には、近隣にトラブルの元になるような住民がいないかどうかという点もよく確認しておいてください。
【ぶっちゃけ話】不動産会社に直接、査定依頼をしてはいけない理由
※業界内では言えない話しです。こっそりと読んでください。