活用事例から考える空き家の有効活用について

空き家対策

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田舎の空き家

少子高齢化や人口の減少、相続問題などで近年、「空き家問題」という言葉をよく耳にするようになりました。

このような問題を受けて、空き家対策の条例を制定する地方自治体も増えてきています。

しかし、空き家が増え続ける一方で、空き家となった家屋や土地を有効活用している成功事例も多く報告されています。

この記事では、いくつかの活用事例をもとに空き家の有効活用について考えていきたいと思います。

忙しい方は目次からどうぞ

賃貸として貸す

空き家の有効活用の成功事例として一番に挙げられるのは「空き家を賃貸として貸し出す」という方法です。

空き家として放置しているだけでは、固定資産税を毎年支払うだけで支出が増える一方です。それ以外にも、空き家を維持していく費用もばかになりません。

関連:空き家にかかる維持費が知りたい!

賃貸物件として上手く有効活用できれば、現金収入が入ることになり、維持費や税金の足しにもなります。しかし、空き家を賃貸として上手く活用するためには、どのような方法があるのでしょうか。

 

普通の賃貸物件として貸す

一番理想的なのは、通常の賃貸物件として貸す方法です。しかし、立地や建物の築年数の関係で賃借人を探すことが難しい場合もあります。

築年数も浅く、物件もきちんと小奇麗にメンテナスされていて立地もそこそこであれば、賃貸として貸すことができるかどうか、まずは不動産会社に相談してみましょう。

 

シェアハウスとして貸す

空き家をバリアフリー化して、高齢者向けのシェアハウスとして貸し出す方法もあります。

核家族化により子どもが近くにいない、しかし介護施設は高額なため入居することができないなどのお年寄りにはシェアハウスのメリットは十分にあります。

また、高齢者向けでない場合でも、地方には賃貸物件が充実していない地域もあり、田舎で働く若者向けにシェアハウスの需要は高まってきています。

シェアハウスの場合、満室になると一軒分の家賃より多く家賃収入が見込めますし、ひとりでも賃借人がいれば家賃収入は継続しますので、貸す方としてもメリットとなる部分も多いです。

しかし、複数人が同居するためトラブルも少なくはありません。

トラブルを起こす入居人対策として、シェアハウスの場合は、1年未満の定期借家契約で貸し出すというということを忘れないでおいてください。

 

地域のコミュニティー施設として貸す

空き家を改修して地域のコミュニティースペースとして有効活用している地域も多くあります。

地域のお年寄りたちが集まり、おしゃべりの場として利用したり、共通の趣味を楽しんだり、過疎化が進む地域の活性化の取り組みのひとつとして今、注目を浴びている活用方法です。

自治体やNPO法人が主導となって活動している場合も多く、貸す方にしても安心感があるのがメリットです。

 

空き家の賃借人の見つけ方

空き家の賃借人の見つけ方ですが、空き家があるエリアや立地によって対応の仕方が変わってきます。

 

空き家が都心近くにある場合

空き家が都心部や都心近くにある場合は売却が容易なことも多く、売却してしまうという選択肢もあります。しかし、「今はマンションに住んでいるけど、将来的には実家をリフォームして住みたい」などの考えがある場合もあるでしょう。

そのようなときに便利なのが、「一般社団法人 移住・住み替え支援機構(JTI)」の「マイホーム借上げ制度」です。

空き家が都心近くなどであれば、賃貸需要が望めますので有効な活用法です。また田舎であっても、まったく需要が無いとはいえません。

JTIの相談窓口が各県に設置されていますので、一度相談してみてはどうでしょうか。

⇒一般社団法人 移住・住み替え支援機構(JTI)の各地域の相談窓口

 

マイホーム借上げ制度とは?

マイホーム借上げ制度とは、シニア(50才以上)を対象にJTIがマイホームを借上げ、第三者に転賃し、転賃収入から借上げ賃料を支払う仕組みのことです。

JTIが借上げて転貸するため、一般の賃貸物件のように家のオーナーであるあなたが入居者と直接関わることはありません。そのため、入居者の家賃未納などのトラブルの心配がなく安心です。

また、契約期間中は空き家になった場合でも、JTIが最低保証賃料を支払う契約となっており、貸し出す側としては空き室のリスクを回避できるため、安定した収入が見込めます。

 

契約更新は3年ごと

マイホーム借上げ制度は、3年毎に契約が終了する定期借家契約となっています。

そのため、契約期間終了時に売却する、もしくは自らが引っ越しをして住むなどの選択も可能です。特別な理由が無い場合は、契約を継続するのも契約者の自由です。

 

相続した家の場合は、50才以下でも利用が可能

マイホーム借上げ制度は、シニア(50才以上)の方が対象となっています。しかし、相続した家の空き家オーナーであれば、50才以下でも利用が可能です。

そのため、空き家の活用法として多くの方が利用している制度でもあります。

ただし、利用を申し込んだ時点で空き家であるということが条件となっていますので、注意してください。

⇒マイホーム借上げ制度について詳しくはこちら

 

空き家が田舎にある場合

空き家が田舎にある場合は、賃借人を見つけるのが少し難しい場合もあるかも知れません。この場合に一番にしておくべきことは、各地方自治体の「空き家バンク」への登録です。

前述した地域コミュニティーの場としての活用やシェアハウスなどの活用方法も、利用者は空き家バンクの情報をもとに物件を探している場合が多いため、空き家バンクへの登録は必須ともいえます。

 

空き家バンクとは?

空き家バンクとは、売却や賃貸を希望する空き家の所有者の不動産情報を市町村が登録し、各自治体のホームページや窓口を通じて、購入希望者や賃貸希望者へ情報提供をする制度のことです。

空き家バンクは地方自治体が運営しているため、営利目的ではありません。そのため、利用者は費用を負担する必要も無く、無料で利用することができます。

 

空き家バンクへの登録

空き家バンクへの登録方法は各自治体によって異なりますが、基本的には自治体が用意する「空き家情報登録申込書」へ必要情報を記入し、自治体へ申請をすればOKです。

流れとしては、以下の通りです。

  1. 空き家情報登録を自治体の所定の機関へ申請
  2. 登録申請後の審査が完了すれば、自治体のホームページなどへの情報公開が始まる。
  3. 掲載された物件に興味を持った人が、利用希望者登録を自治体に申請。
  4. 利用希望者登録すれば、空き家の詳細情報請求や内見が可能になる。
  5. 案内を受けて気に入った空き家があれば、今度は交渉希望者登録を行う。
  6. 空き家などの所有者と交渉希望者が、当事者間で交渉・契約を行う

 

ワンポイントアドバイス契約の際には不動産会社に依頼をすること

 

空き家バンクを利用して、賃貸や購入などの希望者と交渉する場合には自治体は介入せず、個人間の交渉となります。

 

いうまでもなく、不動産取引にはトラブルもつきものです。

 

実際に交渉がまとまりそうな場合は、地域の不動産会社などにお願いして契約を行ってもらうほうが安心です。(ただし、売却の場合などは仲介手数料がかかります。)

 

 

空き家への補助金制度

過疎化が進む自治体にとっては、空き家いうのは無視できない深刻な問題となっています。そのため、空き家の登録者や利用者に対して積極的な補助金制度を設けている自治体も多くあります。

  • 空き家バンク制度に登録された空き家が、空き家バンクにより成約に至った場合、その所有者に対し奨励金を交付する制度。
  • 賃貸借契約が締結され、移住者が一定期間定住する見込みのある物件に対して、修繕費や補修工事費などを一定額補助する制度。
  • 登録空き家に3年以上居住する意思があるものに対しての家賃補助制度。

 

空き家バンクの探し方

空き家バンクの探し方ですが、インターネットで「空き家バンク+(お住まいの市町村名)」で検索する方法が見つけやすいと思います。

自治体によっては空き家バンクという名称を使っていないところもあるため、検索に表示されない場合もあるかもしれません。

そのような場合は、お住まいの自治体へ直接電話して問い合わせるようにしてください。

 

その他、空き家の有効活用事例

各地方自治体やNPO法人の空き家の有効活用の事例をまとめてみました。よかったら参考にしてください。

また、現在では空き家の有効活用法を無料で提案してくれるサービスもあります。駐車場やアパート経営など、立地や周辺環境、土地の規模を調査してくれた上で最適なプランを提案してもらえます。

無料で利用できますし、実施するかどうかは提案されたプランを見て決めることができますので、空き家や空き土地の有効活用をお考えの方は、一度資料請求をしてみてはどうでしょうか。

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古民家を改修し、会員制農家民宿へ

荒蒔邸外観写真

画像引用:荒蒔邸公式ホームページ

茨城県常陸太田市にある、里美 古民家の宿「荒蒔邸」。

里美 古民家の宿「荒蒔邸」は、古民家を改修し、会員制農家民宿として運営されています。行政からの補助金を上手く活用し、伝統的な家屋の維持保全を実現しています。

施設の利用を個人が特定できる会員制とすることで、周辺住民の理解を得ることに成功しています。

また、リピーターが多いため、地元との交流の促進にもつながっていて、周辺観光も荒蒔邸を拠点として行われるなど、地域活性化のためにも役立っています。

運営主体 NPO法人遊楽
営業方法 会員制農家民宿(簡易宿所)
食事提供は基本的に無(希望があれば提供)
その他オプションの活動メニューも豊富
会費 年会費10000円、宿泊費3000円(1名)
年間利用者数 300~400人
WEBサイト http://www.yuu-group.co.jp/kominka/

 

全国の農村・観光地等の土地・空き家を、都市居住者に対して紹介

田舎の空き家は一見、需要が無いようにも感じます。しかし、現在では定年予備軍世代を中心に二地域居住としてのニーズが見込めることで注目も高まっています。

株式会社ラーバンが運営する「ふるさと情報館」のウェブサイトでは、二地域居住を検討する定年予備軍世代へ田舎の物件を紹介、年間約350件ほどの仲介が成約しています。

運営主体 株式会社ラーバン
事業内容 全国の売却希望物件をデータベース化、会報で会員に情報提供。購入の際の不動産媒介を実施。
定年予備軍世代を中心に二地域居住としてのニーズが高く、毎年350件程度成約。
利用者 定年予備軍の利用が最近は主流。最初は現在の居住地から3時間程度の場所で二地域居住からスタートし、気に入れば定住を、と考える人が多い。
空き家提供者 相続時の売却希望が多い。
WEBサイト http://www.furusato-net.co.jp/

 

まとめ

住んでいない実家の処分などはとても悩ましい問題です。

しかし、そのまま放置していたとしても、維持費や固定資産税などの費用面、老朽化が進むなどの問題が無くなるわけではありません。

そうであれば、空き家バンクなどに積極的に登録して活用方法を見出すことも考えるべきです。

いずれにせよ、年々空き家は増え続けおり、今後さらに空き家問題が大きくなっていくことが予想されます。空き家の所有者であれば、近い将来、売却もしくは活用という選択肢を迫られることになります。

所有している空き家をどのように処分、活用していくかは、なるべく早い段階で検討しておくべきだといえるでしょう。

 

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